otakubeerlog

大田区に住むビールオタクのblog

お正月ビール

賀正正月を祝うという意味の言葉である。

元々お盆と同じく祖先の霊を祀る行事であった正月は、日本では新年を祝う行事へと変化していった。家の門前に門松を立て正月飾りをして、おせち料理を食べ、年賀状を送り、神社やお寺に初詣に出掛け、家に帰ってTVで駅伝を観る。書き初めを一筆したため、羽子板で羽根を突き、凧を上げて独楽を回して遊びましょう。時代の移り変わりで段々と行われなくなってくる習慣もあるが。

お正月にはお屠蘇がわりにお酒もたくさん飲まれる。日本酒の酒蔵も正月用の限定商品を出しているところが多い。「祝酒」という名前が付いていたり、その年の干支の動物や、七福神、鯛がラベルに描かれていたり、金箔入りの物まである。

筆者も今年の正月にはお屠蘇がわりの日本酒を一本飲んだ。それは今回の主題からは外れるので詳しくは触れないが、今年の干支にちなんだ名前の酒だった。そして、ぶっちゃけこの記事のネタ収集のためであるが、いっしょに「お正月ビール」も今年は出来るだけ飲んでみた。

 

日本の地ビールクラフトビールのブルワリーが毎年出しているお正月ビールはけっこうな数の種類がある。

実は、今回の文はというと、「新年を祝うビールがこんなに多いのは日本だけだ!」という線で書き進めて行こうかと考えていたのだけれど…。試しに「New Year」と付く海外のビールの名前を検索してみると、思ったより膨大な「New Year Beer」が見つかり、その線はあっさり引っ込めることとなった(笑)

名前に「New Year」が入るビールの中では有名どころな感じのAnchor Brewing / Merry Christmas & Happy New Year(Our Special Ale)(USA)や、Hancock Bryggerierne / Merry Christmas Happy New Year(Denmark)がそうなように、「Happy New Year」は「Merry Christmas」とセットになっているものが多かった。クリスマスカードに書かれるあいさつの決まり文句と同じだ。英語での「Happy New Year」は主に年の暮れに交わされる言葉で、「明けましておめでとう」よりもどちらかというと「良いお年を」の方に近いようだ。だから、「New Year Beer」も日本の「お正月ビール」とは若干ニュアンスが違うのだとは思うが。

※ちなみに多かった「New Year Beer」の名前は「Hoppy New Year」。これは、いかにもホッピーな(ホップの効いた)ビールを好むクラフトビール界隈ならではで、これから新年のあいさつの定番になりそう?(笑)

何にせよ、日本という国は世界の中でも新年を祝うビールが多く作られている方の国だというのは確かじゃないかと思う。中国台湾韓国ベトナムなどの旧正月文化圏の国々でも、これからクラフトビールシーンがもっと盛り上がれば「春節ビール」や「テトビール」が増えてくるかも?

 

以下は、筆者が今回の正月期間に飲んだ「お正月ビール」をざっと紹介。

賀正ビール

f:id:otakubeer:20210110121719j:plain

賀正ビール


神奈川県厚木市のブルワリーサンクトガーレン賀正ビール

元旦にさっそく飲んだ。写真は初日の出の陽光を浴びている賀正ビールのボトルだ。ボトルのラベルはよく見ると今年の干支である牛の白黒の毛並みのデザインだ。今年のサンクトガーレンの賀正ビールは、柚子が入ったフルーツウィートエール。小麦の甘味があって、柚子の果汁と香りが豊かでした。

ちなみに、サンクトガーレンの昨年の賀正ビールはアンバーエールで、これはヨーロッパでのアンバー(琥珀)は幸福を招くもので、琥珀を贈るのは「幸福を贈る」意味を持つからだそうです。

 

賀正エール

f:id:otakubeer:20210110121840j:plain

賀正エール

茨城県那珂市にある木内酒造常陸野ネストビール賀正エール常陸野ネストビール公式の英語名ではCommemorative Aleであり、なるほど「賀正」を英語で言い換えると、Commemorative(記念)にするのかと参考になる。今年はJR品川駅構内にある常陸野ブルーイング品川 Beer& Cafeで飲んだ。

賀正エールはアルコール度数8%と、「お正月ビール」の中ではかなり強い部類に入る。麦芽とホップを大量に使用したベルジャンストロングエールBelgian Strong Aleにバニラやコリアンダー、シナモンなど5種類のハーブとスパイスを加えた冬季限定醸造のビールだ。

賀正エールを筆者は地ビールクラフトビールを飲み始めた数年前から毎年飲んでいて、とても思い入れのあるビールだ。一年ごとに賀正ビールに再会するたび、一年間いろんなビールを飲んできた経験のフィードバックから、去年までとは違った新たな発見を賀正エールに出来るのだ。

 

醸造 インディアペールラガー

f:id:otakubeer:20210110121916j:plain

醸造 インディアペールラガー

静岡県伊豆のベアードビールBaird Beer醸造 インディアペールラガー

大量にホップを効かせたペールエールIPAと言うのだが、初醸造はベアードがIPAのレシピのものをラガー酵母で発酵させて仕上げたインディアペールラガーIndia Pale Lager(IPL)だ。

醸造は正確にはベアードのマンスリーシリーズビールなのだが、筆者的に初醸造は毎年年の始めにできるだけ飲みたい一本なので「お正月ビール」に加えてみた。

今年はベアード直営タップルームのバーベキュー料理が美味いBashamichi Taproomで飲んだ。いっしょに頼むフードメニューは、丑年なのでもちろんビーフブリスケットで!

 

Happy New Beer 2021

f:id:otakubeer:20210110121951j:plain

Happy New Beer 2021

宇都宮の道の駅に醸造所があるろまんちっく村クラフトブルワリーは、数年前から毎年、宇都宮出身の双子のラッパーユニットP.O.PとコラボしてHappy New Beer醸造している。筆者が飲んだHappy New Beerはここ2年の物だが、どちらも宇都宮産の柚子を使ったIPAだった。2020ver.はアルコール度数が8%だったが、今年の2021ver.はアルコール度数が6.5%で、どちらも飲みやすいことに変わりはないが今年のver.の方が若干酔いが回りにくい。

今年Happy New Beerを飲んだのは東京都大田区鵜の木のビアバーBEER STAND Stoop。写真のグラスといっしょに写っているのは、Stoopのロゴの猫と今年の干支の牛があぶない刑事風にグラサン掛けているデザインのStoop年賀バッチである。

ちなみに、ろまんちっく村と同じ宇都宮のブルワリーBlue Magic Utsunomiya Brewery呑み初めゴールデンという「お正月ビール」を作っている。

 

その他

写真は無いがその他に飲んだ「お正月ビール」は、黄桜酒造のLUCKYシリーズのLUCKY COW。今回LUCKY COWを買ってみて、一昨年売っていたLUCKY BOARと昨年売っていたLUCKY MOUSEもそれぞれの年の干支の動物の「お正月ビール」だったことに今更気づいた(笑)

栃木のうしとらブルワリーHoppy 牛 Year!も飲んだ。ホップの効いたペールエールだった。考えてみれば今年と来年はうしとら(丑寅)の年だ。うしとらブルワリーにとって重要な2年間になるのだろう。

 

その他に、手に入らなくて飲んでいないビールではヤッホーブルーイング福ビールも「お正月ビール」に挙げられるだろう。あと思い付くのはTwo Rabbits BrewingNew Year Rice Aleなど。筆者が把握していない「お正月ビール」もまだいっぱいありそうだ。

 

あとは地ビールクラフトビールではなく大手ビールなのだが、箱根駅伝の筆頭スポンサーであるサッポロビールサッポロ黒ラベルも「お正月ビール」と言えば「お正月ビール」と言えるのかも知れない。

 

さて。「お正月ビール」は当たり前のはなしだがやはり縁起の良い名前のものばかりだ。それなら「お正月ビール」をいっぱいのめばそれだけ福もたくさん付きそうなものだが、残念ながら「お正月ビール」に限らず縁起物というものは、そんなにご利益を期待するものでもないのだと思う。去年一年はご存じの通りああいった年だった。だったら去年の始めに良い一年になることを願った多くの人々にとって、一体何だったのという話しになる。そして新年早々一都三県に非常事態宣言が発令されるというここ最近。

どちらかと言えば、「お正月ビール」とは、気持ちを新たにしてまた新しい一年を送るために飲むのが、と出ました!

ビール漫画『ばっかつ! ~麦酒喝采~』と、NAMACHAん Brewingとのコラボビール『なまかつ! シリアルヘイズ』

comic-walker.com

『ばっかつ! ~麦酒喝采~』は、葉賀ユイさんが無料コミックポータルサイトComicWalkerで連載中のビールをテーマにした漫画だ。ComicWalkerの他にニコニコ静画でも読める。単行本も電撃コミックスNEXTから、現在2巻まで発売されている。

 

『ばっかつ!』のお話は、一人の主人公の大学生花小路ほっぷが、もう一人の主人公二条こむぎにサークル「ビール愛好会(仮)」に勧誘されるところから始まる。

そう。女子高生たちが軽音楽であったり、アウトドアキャンプであったり、麻雀であったり、アイドルであったり、戦車道であったりといろんな部活動に励む、言わば女子高生にオタク趣味的なことをやらせる部活ものというジャンルがあるのだが、『ばっかつ!』もひらがな四文字のタイトルと言い、とりあえずの外見はそのジャンルの型を踏襲したグルメ漫画といったところだ。題材が飲酒なのでさすがに舞台は高校ではなく大学となっているが(笑)

『ばっかつ!』で取り上げられているのは、ビールの種類(スタイル)、ビールの歴史、ビールの飲み方などビール知識全般なのだが、これが読んでみるとものすごくわかりやすい。漫画なのでイラスト付きなのももちろん強みなのだろうが、とてもシンプルに読みやすくまとめられていて、これはビールに興味がある人向けの入門書としても良いと思うし、筆者などのように中途半端に持っているビール知識を改めて整理しなおすのにも役に立つと感じました。

何よりも取り上げるビールのチョイスがまたGood。「今飲むべきビール〇〇本」「この種類のビールではこれを飲め」な感じの書籍や記事で紹介するビールの選び方で悪手だなと思うのが、一時期限定でしか出回らなかった超レアなビールや、外向けにほとんど販売していないブルワリーのビールなど、そもそも入手することが困難なビールばかり取り上げること。そんなの単なる飲んだことがある自慢にしかならん。その点、『ばっかつ!』で取り上げられるビールは、基本的に酒屋やリカーショップで入手しやすい有名な通年商品で、それでいてビール通も思わずニヤリとさせられる銘柄が多く登場する。これは、葉賀ユイさんのセンスの良さと相当なビール好きなところがうかがえる。

単行本1巻の帯に書かれた「全てのビールに喝采を!」。2巻の「美味しく飲んで楽しいビールライフ!」のキャッチコピーの通り、『ばっかつ!』は、読めばますますビールを飲むのが楽しくなること請け合いの漫画である。

 

さて。その『ばっかつ!』と、以前このブログでも取り上げたことのある

燻製ビールと燻製料理の夜。Smoke Beer Factory NAMACHAん Brewing(東京/大塚) 2020.09.27訪問 - otakubeerlog

NAMACHAん Brewingとがコラボレーションしたビールがリリースされたというので、さっそく大塚へと飲みに行ってきました!

Smoke Beer Factory NAMACHAん Brewingは1階のカウンターは満席で、今回も2階のテーブル席に通される。いつ行っても人気のある店だ。

コラボビールの名前は『なまかつ! シリアルヘイズ』。ビールのスタイルは現在クラフトビールで最も人気があると言ってもいい、ヘイジーな(濁った)見た目のニューイングランド(アメリ東海岸)スタイルのIPAだ。ヘイジーIPAについては、ちょうど『ばっかつ!』の最新配信話の「番外編」でもさらっと触れられているので読んでみてはいかがだろうか?

『なまかつ! シリアルヘイズ』は5種類のモルトと3種類のホップをたっぷり使った、アロマホップなフルーティーさと、コクのある穀物感が充分にある、筆者的にも好きなタイプのヘイジーIPAでとても美味しく飲めました!

 

『ばっかつ!』と『なまかつ! 』に喝采を!

「かんぱーい!」

f:id:otakubeer:20201221183308j:plain

樽生の『なまかつ! シリアルヘイズ』を持参した『ばっかつ!』の単行本といっしょに撮影。せっかくの写真なのに逆光になってしまったが、撮影時は酔っぱらっていてそこまで頭が回らなかった(笑)

f:id:otakubeer:20201221183346j:plain

『なまかつ!』はボトルでも売っていて、一本買って帰った。撮影協力、BEER STAND Stoop様


 

『相模の国のチェコビール。-ビール、あるいは音楽-』EBINA BEER(神奈川/海老名)2020.12.06訪問

f:id:otakubeer:20201213102740j:plain

f:id:otakubeer:20201213102811j:plain

↑TOHOシネマズのシネコンの前から見たViNAWALK。奥に海老名駅。手前右のモニュメントは相模国国分寺の七重塔を再現した物。こうして見ると箱庭感のある風景だ。↓名代箱根そばかき揚げそば@海老名東口店

海老名。実際に行ってみると、その意外な繁栄っぷりに驚く街の一つだ。

海老名にはJR、小田急、相鉄の三つの鉄道路線が乗り入れており、中でも小田急は駅舎が一番大きく新しく、いかにもメインを張っているという感じだ。プラットホームに入って来る車輛も心なしか堂々としているように見える。小田急系列の駅そば名代箱根そばの店舗も海老名には二軒もある!!

逆にJRの相模線の海老名駅は、仲間外れにでもされているように少し離れたところにあり、プラットホームも小ぢんまりとしていてローカル路線感がある。乗り入れて来る車輛も4両と短い。

海老名の街の中心部となっていて、より発展しているのは圧倒的に駅の東口側だ。筆者は東口側には降りたことが無かったのだが、今回降りて少し歩いてみることにした。

駅前ロータリーから中央公園の上を跨いで、高架の広い歩行者通路のある巨大な商業施設ViNAWALKビナウォークが広がっている。歩行者通路を囲むようにマルイデパートや、シネコンの入った大きな建物が立ち並んでいる。

ViNAWALKの終点からなだらかな坂を少し上ると、昔の相模国国分寺跡の史跡があってちょっとした歴史散歩も楽しめる(もっとも現在では七重塔の土台が残っているだけの、子供たちの遊び場になっているただの広場でしかないが)。国分寺跡の向かいには郷土資料館海老名市温故館があり、縄文時代から近代までの海老名市の歴史資料を展示している。入館料も無料なので立ち寄ってみるのもおすすめだ。

 

海老名駅西口側。相模線の線路がはるか南の茅ケ崎の方へと続いている。丹沢山系の山塊が遠くに霞んで見える。駅を出て西口方面に向かう人々もある程度はいるが、そのほとんどはららぽーと海老名の入り口へと吸い込まれて行く。東口側と比べるとどうしても殺風景に映ってしまうが、西口側も2015年にオープンしたららぽーと海老名とその周辺の扇町の一帯は再開発の手が少し入っていて、きれいな道路が引かれていて、広い歩道が整備されている。

今回訪れたEBINA BEERも、ちょうどららぽーとと道路を一本隔てた向かい側正面のビルの1階に居を構えている。

 

EBINA BEER

f:id:otakubeer:20201213102852j:plain

EBINA BEER

f:id:otakubeer:20201213103004j:plain

EBINA BEER店内。カウンターの上のボードにタップメニューが手書きで書かれている。筆者的にはこの日のタップメニューは大当たり。あとDark Lagerが入っていれば完璧だった。

EBINA BEERエビナビール醸造は2017年に開業したブルワリーだ。醸造所に併設されたレストランバーはガラス張りの開放的な外見で、土日は昼の早い時間から店を開けていて、主に地元・海老名の住民たちが食事と、EBINA BEERのビールを飲みに来る。

EBINA BEERの共同オーナーでも醸造長でもあるチェコ出身のTomas Rehakさん(以下トマさん)は、前身がチューバのプロの演奏家という変わった経歴の持ち主だ。プラハ国立歌劇場管弦楽団プラハフィルハーモニー管弦楽団の2つの楽団に所属し20年に渡ってチューバの演奏を続けてこられた。

EBINA BEERは、やはりチェコ出身のトマさんだけにチェコスタイルのビールとドイツスタイルのビールを主に醸造している。チェコビールといえばやっぱり、ドイツ語読みではPilsner Urquellピルスナーウルケル、某新宿御苑前のビアパブのようにこだわりを持ってチェコ語読みで呼べばPlzeňský Prazdrojピルゼンスキープラズドロイで有名な、ボヘミアンスタイルのPilsnerピルスナーだろう。というわけで筆者もこの日の一杯目に、まずはピルスナーを頼んでみる。麦芽の甘味とホップの苦味のバランスがちょうど良い。さすが国民一人あたりのビール消費量が世界一のチェコビールの代表的スタイル。何杯でも飲めそうな飲みやすさだ。

f:id:otakubeer:20201213103044j:plain

EBINA BEERのPilsner

二杯目。初開栓だというKyselýキセリー、これ行ってみよう。サワーウィートスペシャル。むむ、どんな感じだろう?

と、ここでちょうど良く隣の醸造室から出て来たトマさんが通りかかったので話しを聞いてみる。

 

otakubeer: やあ、トマさん!今からKyselý飲むよ。Kyselýはチェコのサワービール(酸っぱいビール)なの?

トマさん: 違う。チェコのビールにはサワービールは無い。これはWit(小麦)を使ったベルギーのスタイルのサワー。Sourはチェコ語でKyselý。だから。

otakubeer: なるほど。これには何かフルーツは入れているの?

トマさん: いや。フルーツは入っていない。酵母と菌(乳酸菌?)だけの発酵。

 

と、まあ。トマさん。忙しい中ありがとう。Kyselýはキウイフルーツのようなフルーティーさと、そこまで強くない酸味があり、これもとても飲みやすかった。

 

この日フードメニューではBramborákブランボラークを頼んでみた。Bramborákは、すりおろしたジャガイモとニンニクに卵や小麦粉などを混ぜて揚げて作るチェコの家庭料理なのだそう。平べったいコロッケのような感じだった。EBINA BEERのフードメニューは他にソーセージ、ナチョス、串揚げなどがある。

f:id:otakubeer:20201213103115j:plain

Bramborák

この日は飲まなかったがEBINA BEERのビールでは他に、アロマホップが効いてフルーティーEbina Lagerや、チェコ本国ではピルスナーと匹敵するほど飲まれているというDark Lagerも筆者的におすすめだ。Lemon PilsnerYuzu Pilsnerなどのフルーツピルスナーも美味しい。トマさん本人が推すのは、これはドイツスタイルだがトマさんが楽団時代にドイツで飲んで好きになったというHefeweizenである。まあ、EBINA BEERのビールは大抵どれも美味しいです。

 

EBINA BEERはボトルビールも生産していて買って帰ることも出来る。ボトルのラベルにはホップと金管楽器(チューバかな?)のマークがあしらわれたEBINA BEERのエンブレムが正面にあって、裏面にはまるでクラシック音楽のレコードジャケットかのように、タキシードに蝶ネクタイ姿のトマさんの写真がある。

そう。EBINA BEERとはビール醸造というかたちであっても、トマさんにとって管弦楽と同様に演奏であり、作品であり続けるのだろう。

 

あなたも、EBINA BEERで素晴らしい時間を過ごされてはいかが?

f:id:otakubeer:20201213103144j:plain

海老名駅西口側

EBINA BEERの基本情報

住所: 神奈川県海老名市扇町5-5-4 扇町見世ビル1階

電話番号: 046-259-8730
アクセス: 海老名駅から徒歩約5分

営業時間: 火-金 17:00-22:30 土日祝 14:00-23:00 月曜休
 

京都とその周辺ビール巡りの旅 2020年10月⑤最終回「五日目最終日+三日目 京都醸造株式会社Kyoto Brewing Co.」

f:id:otakubeer:20201122153523j:plain
f:id:otakubeer:20201122153601j:plain
京都醸造株式会社Kyoto Brewing Co. 写真の←が旅行3日目夕方。飲んでいるビールは重見天日。→が旅行5日目昼。飲んでいるビールは時空を超えて

私事ながら。筆者の京都におけるビール巡りの旅行は実は今回が二回目。前回は昨年の二月のこと。ですので、今回の京都は約一年半とちょっとぶりになります。

前回は最終日に、京都醸造で飲んでから東京に戻りました。醸造所前の駐車場に簡易な座席が設けられ、近隣の飲食店からフードトラックが出張してきていて、日曜日の昼間から筆者のように日本全国各地から京都にやって来たビール好きと、京都醸造のご近所の常連さんたちが乾杯しながら、屋外の駐車場で、併設のタップルームの中で京都醸造のビールを酌み交わす。それは旅の終わりとしてはとても幸運な、最高の体験だったわけです。(酔っぱらって、京都駅のトイレにお土産を置き忘れて帰ってしまったのは内緒ですが笑)

 

京都醸造株式会社Kyoto Brewing Co.は、一度このブログでもBlack Is Beautifulの記事で取り上げたが、

Black Is Beautiful -クラフトビールとチャリティー活動、社会運動- - otakubeerlog

2015年に醸造を開始した、いまや日本国内でも有数の人気と流通量を持つクラフトビールのブルワリー。作るビールはベルジャンスタイルとアメリカンスタイルが中心。京都府内はもちろん、東京でも京都醸造ビールを樽生のタップに常設しているビアバーはいくつかある(目黒のAnother 8や、下北沢の風乗りメリーなど)。

 

さて、前回から一年半ちょっと。そのあいだ京都醸造タップルームを改装し、今までの土日に加え金曜の夕方の時間にもタップルームの営業日を増やしました。筆者はそんな新しくなった京都醸造タップルームを見てみようと、今回の旅行でも最終日日曜の昼間と、三日目金曜の夕方に訪れてみることを計画していたのです。

 

 10月16日(金)、10月18日(日)

この二日間に訪れてみた京都醸造は、タップルームでの樽生ビールの提供こそやっていたものの、とても厳しい新型コロナウイルス感染症への対策が取られていました。まず、手指の消毒と検温。タップルーム内での飲酒は禁止で屋外の駐車場でのみ。それも席の数は減らしてある。ビールの注文にタップルームに入る際も一組ずつでの入室。強制ではないが、席に貼ってあるQRコードから京都市コロナあんしん追跡サービスへの利用者登録が求められる。

クラフトビールを扱う飲食店の中でもここまで対策が厳しいところもあまり無いと思いますが、どの飲食店も常にクラスターを発生させてしまった場合のリスクを抱えながら営業を続けているわけで、本来ならこのくらいの対策が取られて当然であるかもしれませんし、利用する客の方もそれに協力しながら飲酒を楽しんでしかるべきだと思いました。

 

なんにせよ、訪れた日の京都醸造にはフードトラックの姿もなく、京都を離れる前の最後のビールとしては少し寂しかった(筆者を含めてお客さんの姿は多かったが)。

この辺で、今回の京都とその周辺ビール巡りの旅をまとめた文章も終わりたいと思う。

いつもやっていた往きの新幹線の車中での缶ビール飲み(Train Beer!)も控えた、というように今回の旅行は、もちろん常に新型コロナウイルスの流行が影を落としている旅行でもあった。

またいつか、旅行先でも大勢のビール好きの人々と乾杯しながら楽しくビールを飲める日がやって来ますように。京都醸造をあとにして、近くにある小さな公園でひとやすみし、傍で微睡む野良猫といっしょにボーっとしながら、そんなことを考えていたのだった。

 

<京都醸造株式会社で飲んだビールリスト>

  • 重見天日 / 京都醸造 …シンプルで飲みやすいブロンドエール
  • 大地の賜り物 / 京都醸造ライ麦のセゾン。ストロングでスパイシー
  • 時空を超えて / 京都醸造 … Wiessというドイツの廃れてしまったスタイルを再現した小麦ビール
  • 夜の帳 / 京都醸造 … インペリアルスタウト。今年2020醸造ver.

 

<京都醸造株式会社の基本情報>

住所: 京都府京都市南区西九条高畠町25-1

電話番号: 075-574-7820

アクセス: 近鉄十条駅から徒歩約8分

タップルームの営業時間: 金17:00-21:00 土日12:00-18:00

f:id:otakubeer:20201122153648j:plain
f:id:otakubeer:20201122153724j:plain
京都醸造株式会社近くの小さな公園。猫

 

京都とその周辺ビール巡りの旅 2020年10月④「四日目。雨の奈良」

f:id:otakubeer:20201108143722j:plain

奈良の道路を歩く鹿

10月17日(土)

「寒っ!」

この日は確か全国的に天気が良くなく、京都も例に漏れず雨の一日。おまけに冬のように肌寒かった。

 

この日は奈良へ。奈良までは近鉄線を使った。土曜の午前中の近鉄京都駅のプラットホームは、天気が悪いせいもあってか、人もまばらで寂しげだった。

京都から南下し奈良県に入ると、車窓から見える風景は田園地帯が増えてくる。平城京跡の史跡も近鉄線沿いからは見える。古都の跡といっても、朱雀門などいくつかの復元された建造物があり、残りは建物や柱の土台の跡が残っているだけ広い公園だ。現在復元作業中の建造物もあるようで、覆いが被せられているのが見えた。

 

近鉄奈良駅はプラットホームが地下にある。地上に上がると駅前には、東大寺の建立に貢献した行基という僧侶の銅像が建っている。さすが奈良。「仏教都市」といった趣だ。京都も多くの仏教寺院がある都市だが、様々な時代に成立した宗派の寺院が混在している京都に比べ、奈良は平安時代以前の奈良仏教の宗派でまとまっているせいか、街の表情もどこか静かで落ち着いた雰囲気という印象だ。

駅前の商店街を抜け、興福寺の境内や猿沢池という小さな池の辺りまで来ると、あちこちを鹿が歩いている。今年はコロナ禍で、鹿せんべいを与えてくれる観光客も激減してしまっているはずで、鹿たちも痩せ細ってしまっているのかなと思っていたがそれほどでもなかった。どうやらそこいらに生えている芝を食べるようになったらしい。鹿本来の食習慣に戻ったというべきか。

メスの鹿は「メェェ~」と羊のように鳴く。オスの鹿は近づいていくと「コォォ」と空咳のような声を出す。オスのほうはもしかしたらちょっと怒っていたのかもしれない。

鹿たちは普通に道路も歩いているが、車が来ると歩道寄りにちゃんと移動する。鹿は鹿なりに空気を読んで交通ルールを守っているようなのが見ていて面白い。

なら麦酒 ならまち醸造

さて。筆者はビール巡りの旅の最中なので、奈良にもお寺や鹿を見に来たわけではなく、もちろんビールを飲みに来た。

奈良クラフトビールマップという便利なミニ冊子がある。奈良県内のブルワリーの情報と、奈良市街のクラフトビールを扱っているバーやレストランの場所がわかる簡易地図が載っている。イラストレーターのTOAさんがデザインされていて、可愛らしい表紙が目印。全国のビアバーで置いているところもあるはずだ。この日も奈良クラフトビールマップをありがたく活用させていだだいた。

奈良市街にもう一軒あるブルワリーゴールデンラビットビールとも迷ったが、なら麦酒 ならまち醸造というブルワリーの醸造所に行ってみることにした。ならまちというのは興福寺の南に位置する、元興寺を中心とする地域の通称で、江戸時代末期からの町家の雰囲気が残る風情のある町並みの中に、なら麦酒の醸造所はある。醸造所に併設して、ガラス張りの外観で中は清潔な白木のカウンターとテーブルのきれいなタップルーム麦舎がある。

なら麦酒 ならまち醸造タップルームで飲んだビールは、定番ビールの奈良産大和ほうじ茶を副原料に使用したならまちエールというペールエールと、限定ビールの桃と紅茶のセゾンというのをいただいた。フードメニューには何と柿の葉寿司もあって、面白いので頼んでみた。ビールとの相性もなかなかだった。

f:id:otakubeer:20201108143809j:plain

柿の葉寿司と桃と紅茶のセゾン

 

<なら麦酒 ならまち醸造所 麦舎の基本情報>

住所: 奈良県奈良市紀寺町956-2

電話番号: 0742-95-9700

アクセス: 近鉄奈良駅から徒歩約15分

営業時間: 11:30-20:00 木曜休

 

奈良醸造Nara Brewing Co.

この日はもう一か所、郡山駅が最寄駅の奈良醸造を訪ねた。「郡山」といってももちろん福島県の郡山ではなく、 奈良県大和郡山市の方だ。

今回は近鉄奈良駅から一度京都方面に大和西大寺駅まで戻り、そこから乗り換えて近鉄郡山駅へ向かったが、JRを使うと大和路線で一駅で行ける。京都から奈良へのクラフトビール観光は、電車で向かう場合、JRを使うか近鉄を使うかというのは一長一短というところだ。奈良市街のビアスポットだけまわるのなら、東大寺興福寺奈良公園により近い近鉄を使った方が便利で、奈良醸造目当てで郡山だけに行くのなら、JR郡山駅の方が奈良醸造に近いのでJRに乗った方が良いのかもしれない。今回の筆者みたいに一日で両方まわる場合は?どのみちJR郡山からも近鉄郡山からも、奈良醸造まではバスを利用しなくてはならない距離があるので、結局JRと近鉄、どちらでも良いと思う。お好みで。

 

近鉄郡山駅で降りる。駅周辺に商店街がある大きな駅なのだが、構内にプラットホーム間を渡る階段が無いせいか、どことなくローカルな雰囲気のある駅である。

奈良醸造へは、駅前のバス停から15分ほどの間隔で出ているイオンモール大和郡山行のバスに乗る。奈良醸造イオンモールの隣にある工業団地のような場所の中にあるのだ。イオンモール入口のバス停で降り、ショッピングモールの広い駐車場の中を突っ切って5分ほど歩くとたどり着く。

 

奈良醸造株式会社Nara Brewing Co.は2018年に醸造を開始したブルワリーだ。代表の浪岡安則さんは京都醸造でのビール醸造のキャリアのある方で、奈良醸造の作るビールのラインナップには、やはり京都醸造と同様にベルジャンスタイルとアメリカンスタイルのビールが多いが、サワー(酸っぱい)系のビールや、ヨーロッパの他国のスタイルなど、作るビールの幅はむしろ京都醸造よりも少し広い印象もある(京都醸造も近年いろんなスタイルを醸造するようになってきたが)。

奈良醸造のビールは関東でも、ビアバーで樽生を入れてるところは結構多く、飲む機会はなかなかある。奈良醸造の面白いところは各樽生のビールごとに、スタイリッシュなデザインのイメージカード(正確にはセールスシートというらしい)を配布していることだ。筆者も頻繁に通うビアバーもよく奈良醸造の樽生をつないでいて、カードのデザインを眺めながらビールを飲むという行為を楽しんでいる。

 

奈良醸造は通常、併設のタップルームを毎週土日だけ営業していて、そこで作り立てのフレッシュな樽生のビールを飲むことが出来るのだが、新型コロナウイルスの影響でタップルームでの樽生ビールの提供を休止していた。筆者も今回の旅行では奈良醸造タップルームで樽生ビールを飲むことは諦めていたのだが、奇跡というものは起きるもので、何と筆者が訪問する予定のこの日から、屋外限定で樽生ビールの提供を再開すると直前に発表されたのだった!ただし、屋根の無い屋外なので雨天の場合は提供中止…。そして、この日は大雨…。郡山に着く直前まで雨が上がることを祈っていたのだが、それも空しく雨が止むことはなかったのだった。

ですが、普段美味しく飲んでいるビールがどんな場所で作られているか、実際足を運んで目で見てみることというのは、充分貴重な体験。この日も奈良醸造ではタップルームで樽生ビールこそ飲めなかったものの、良いデザインのグラスと、樽生ビールを詰めてもらったクラウラー(樽生ビールを持ち帰る用の缶)を買って帰ることが出来て満足でした。

f:id:otakubeer:20201108143848j:plain

雨の奈良醸造

f:id:otakubeer:20201122132115j:plain

奈良醸造のセールスシートとグラス

<奈良醸造の基本情報>

住所: 奈良県奈良市北之庄西町1-8-14

電話番号: 0742-64-0108

アクセス: イオンモール大和郡山バス停から徒歩約5分

タップルーム営業時間: 土日13:00-18:00(現在は屋外限定)

京都とその周辺ビール巡りの旅 2020年10月③「三日目。 家守堂(京都/伏見)」

伏見は昔から兵庫県の灘と並んで日本酒の酒造りが盛んな土地だ。月桂冠、黄桜、宝酒造など日本でも大手の酒蔵を含む二十数の酒蔵が現在も日本酒を作っている。

そんな伏見で昨年新しく、ビールの醸造家守酒造が誕生した。*1

 

10月16日(金)

旅行は三日目。この日は京都市の南部の伏見に向かった。伏見の町へのアクセスは京阪電車に乗り、伏見桃山駅中書島駅で降りる。近鉄桃山御陵前駅で降りても良い。家守酒造と併設のビアパブ家守堂は竜馬通り沿いの四つ角にあるので、駅から一直線に竜馬通りが伸びる 中書島駅からが一番わかりやすいだろう。

f:id:otakubeer:20201108095048j:plain

家守堂

家守堂は、元々お茶屋安本茶舗の店舗だった町家の建物をリノベーションした店構えだ。家守堂の中の一角には安本茶舗の店舗もそのまま入っているので、お茶を買うことも出来る。

引き戸の正面玄関のすぐ向こうに白木のきれいなカウンターがあり、店内に入ってみると奥行きは広くテーブル席がある。テーブル席あたりは土壁で、以前の町家の雰囲気が残っている。この日は使われていなかったが2階にもテーブル席があるようだ。

樽生ビールのメニューは家守堂のビールとゲストのブルワリーのビール。この日のゲストビールはすべて奈良醸造だった。比較的値段は低めなので嬉しい。テイスティングセットもあるのでまずはそれを頼んでみる。この日のテイスティングセットは

Golden Ace(ブロンドエール)、Little Tempo(ベルジャンデュベル)、牛ごろし(IPA)、Black Saison Prototype(ダークセゾン)の4種だった。

f:id:otakubeer:20201108095221j:plain

テイスティングセット。→から、Golden Ace、Little Tempo、牛ごろし、Black Saison Prototype

昼食がまだなので食べ物も頼みたい。家守堂のフードメニューはフライドチキンやポテトフライなど居酒屋的なメニューの他に、ランチとディナーの時間帯別にしっかりと食事が取れるフードメニューがある。この日はランチメニューのおばんざいセットを頼んでみた。

f:id:otakubeer:20201108095313j:plain

おばんざいセット。これでしっかり昼食が取れた。

この日は他にThree Glassesという家守堂と奈良醸造がコラボしたIPAを飲み、最後にノンアルコールドリンクでナイトログリーンティーというのを頼んで〆。これは安本茶舗の抹茶にグラニュー糖を混ぜ、ナイトロ(窒素)といっしょにビールサーバーから注ぐことによって口当たりがなめらかになった甘いグリーンティー。こちらも良かったが、普通の温かい番茶もメニューにあるとさらにありがたいだろう。

冷蔵庫のショーケースに入っている家守堂のボトルビールもお土産に買ってからお店をあとにした。ごちそうさまでした。

f:id:otakubeer:20201108095357j:plain

ナイトログリーンティー。ビールのハーフサイズと同じグラスでオシャレに提供される。

前回筆者が伏見を訪れた昨年の始めは工事中で水が流れていなかった水路も元通りに戻っているようだった。家守堂が新顔に加わった伏見の町。更に新しい姿に発展していくことだろう。

f:id:otakubeer:20201108095503j:plain

伏見の有名な観光スポットと言えば、やはりこの坂本龍馬で有名な旅籠「寺田屋

 <家守堂で飲んだビールリスト>

  • Golden Ace / 家守堂
  • Black Saison Prototype / 家守堂
  • 牛ごろし / 家守堂
  • Little Tempo / 家守堂
  • Three Glasses / 家守堂

 

家守堂の基本情報

住所: 京都府京都市伏見区中油掛町108

電話番号: 075-603-3080

アクセス: 京阪電車中書島駅から徒歩約10分

営業時間: 火-日 11:00-22:00 月休

*1:伏見のビールとしては、黄桜が以前から京都麦酒などの銘柄を作っている

京都とその周辺ビール巡りの旅 2020年10月② 「二日目 Rabbit Hutch(滋賀/近江八幡)」

f:id:otakubeer:20201102105200j:plain

八幡山城址からは琵琶湖一帯が一望できる。

10月15日(木)

この日は隣の滋賀県へ。目的地の近江八幡までは、京都から電車で一時間も掛からずに行けるようだ。琵琶湖線という名前になっている東海道本線に乗って行く。

通り過ぎる駅の名前は、大津、膳所など聞いたことのある地名が続く。さすがは日本史上でも重要な位置にあった元・近江国だ。琵琶湖の水面が車窓の風景の中にちらちらと垣間見える。電車は、遠くの神戸のあたりで起きた事故の影響でだいぶ遅れてしまったが、どうにか昼前には近江八幡駅に着いた。

 

この日訪ねたRabbit Hutchへは、近江八幡駅北口のロータリーから伸びる広い通りを八幡山の麓辺りまでは真っ直ぐにたどる、ほぼ一本道なのでとても分かりやすい。バスを使えばすぐに着くが、歩いても20分程度なので重い荷物を抱えていないならそちらの方がおすすめだ。

安土桃山時代豊臣秀次によって八幡山八幡山城が築かれ、琵琶湖から水路が引かれ八幡堀も作られた。その後豊臣秀次切腹八幡山城はわずか10年で廃城になってしまうが、城下町はそのまま近江商人の商家町として江戸時代の間も栄え続けた。八幡山周辺には現在も商家、町家の木造の建物、白壁の土蔵の旧商家町の佇まいが残っていて、その町並は伝統的建造物群保存地区に指定されている。

 

f:id:otakubeer:20201102105243j:plain

Rabbit Hutch

2018年近江八幡市醸造を開始したブルワリー、Two Rabbits Brewing二兎醸造の直営ビアカフェRabbit Hutchラビットハッチは、やはり歴史の雰囲気ある建物が立ち並ぶ八幡堀沿いにある。

Rabbit Hutchは白壁の蔵をリノベーションしたような建物のつくりで、一階には佃煮屋さんの別の店舗が入っている。佃煮屋の店員のおばちゃんが「ビールは二階だよ」と教えてくれた。お礼を言って階段を上る。

二階のRabbit Hutchの店内はかなりゆったりと広めだ。カウンターと、大きく長いテーブル席といくつかの円いテーブル席がある。

早速カウンターで注文してみる。支払はその都度の会計のようだ。一杯目に頼んだビールはSaison du Lapin。セゾンスタイルにしてはややアルコール度数も高めでどっしりと飲みごたえがある。山椒が加えられていて後の方で少しピリッと効いてくる。

フードも頼んでみよう。Rabbit Hutchにはランチメニューとディナーメニューがそれぞれあって、レストランばりにしっかりと食事を取ることができそうだ。ランチメニューの中から琵琶マスのクリームコロッケというのを選んでみた。同じく琵琶マスの琵琶マススモークサラダというのもあって、そちらも美味しそうだ。

f:id:otakubeer:20201102105711j:plain
f:id:otakubeer:20201102110006j:plain
←の写真はKiwi IPAと、Rabbit Hutchの広々とした店内。→は琵琶マスのクリームコロッケ

この日Rabbit Hutchで他に飲んだビールは、ニュージーランド産ホップ3種を使ったKiwi IPABillabong Brown Aleというブラウンエール。この日飲んだ中では筆者は色が薄めでキャラメルな味わいがあるこのブラウンエールが一番気に入った。

 

<Rabbit Hutchで飲んだビールリスト>

  • Saison du Lapin / Two Rabbits Brewing
  • Kiwi IPA / Two Rabbits Brewing
  • Billabong Brown Ale / Two Rabbits Brewing

 

Two Rabbits Brewingは缶ビールの製造も少し前から始めていて、Rabbit Hutchで買って持ち帰ることも出来る。筆者も買って帰って宿で飲んだ。いっしょに二匹のウサギのロゴが可愛いTwo RabbitsのTシャツも買って帰りたかったが、ちょうど在庫が無い時期だったのでそれは果たせなかった。

それに、下の階の佃煮屋さんで鮒ずしも買って帰りたかった~。残りの旅行の日程がまだあるので、品質が持つか分からなかったので諦めることにした。近江八幡のお土産には鮒ずしや佃煮はとても良いんじゃないかと思います。

 

さて、Rabbit Hutchで飲んだあとは。駅に戻る前に、ロープウェイに乗って八幡山に登ってみるのもおすすめだ。山の上での八幡山城城址から眺める琵琶湖の眺めは抜群である。

 

Rabbit Hutchの基本情報

住所: 滋賀県近江八幡市大杉町27

電話番号: 0748-36-2347

アクセス: 近江八幡駅から徒歩約20分

営業時間: 木-日 11:00-21:00 月-水休

f:id:otakubeer:20201102110047j:plain

f:id:otakubeer:20201102110129j:plain

f:id:otakubeer:20201102110205j:plain

美しくものどかな八幡堀の風景。桜や菖蒲の季節に歩くのも良さそうだ。